実習生から採用ができなくなっている理由②

ホントに保育学生が減っているのが原因?

前回の実習生から採用できくなっている理由①で、保育士資格と幼稚園免許の併有率上昇が、実習生から採用できない理由の一つだと書きましたが、もう一つ大きな理由があります。

実習園選定の早期化

保育学生が実習先を決める時期が早くなっています。これは、実習生を受け入れない保育園の増加と幼稚園数の減少に加えて、保育学生数の増加により、実習先を早く決めないとと園に受け入れてもらえなくなってしまったからです。一度に受け入れられる人数に限りがあるにもかかわらず、近隣の養成校は、ほぼ同じ時期に実習を行います。

早い養成校では1年前に実習先を探す!

保育学生も数か月先の実習であれば、もう少し実感を持って慎重に園を選ぶことはできるます。しかし、養成校に入学してすぐであったり、一年先の実習園を決めるとなると、あまり情報のないまま、よく分からずに決めるしかありません。

実習先の園を早く決めなければならないことが、「実習」と「就業」の解離が大きくなってしまう原因なのです。

就職先の園探しだけでなく、実習先の園探しの大切さを保育学生に伝えていく機会を増やすとともに、伝える時期を早くしていく(下級生のうちから)ことが必要です。保育士・幼稚園教諭の専門職の育成機関である養成校に進学することは、進学者の多くが将来、保育士・幼稚園教諭として就業します。もう少し、就業を意識する機会を増やしていくことが、学びの機会を無駄にしないことにつながると思います。

実習=就業ではありませんが…。

実習は、学びの場であり、必ずしも就業につければ良い訳ではありませんが、保育園、幼稚園の忙しい現場では、実習生受け入れの手間と時間など負担があることに間違いはありません。養成校に言われて来てるだけの学生ばかりを受け入れていると現場のストレスもたまるでしょう。そのことが、現場職員と実習生とのコミュニケーションを阻害していることもあります。

実習に関しては、実践学習として養成校の学びの立場、実習生から就業に繋がったら良いなという保育園・幼稚園の立場、(実習が更なる学習や就業に意欲を高める機会に欲しい)保育学生の立場の3者がそれぞれ分かち合える実習ができるといいですよね。