実習生から採用ができなくなっている理由①

ホントに保育学生が減っているのが原因?

コストをできる限りのおさえて園に合う人材を採用していくことに反対する人はいないと思います。その点において、実習から採用につなげることができれば、ミスマッチも少なく保育業界・幼稚園業界にとっての本来の採用の姿に戻るのではないでしょうか。

実習は、保育学生にとって学びの場であり、園にとって認知の場でもありは、昔から採用に直結する重要なイベントでもありました。

この業界が長いと忘れてしまう事ですが、小中高教員の実習と違って、保育園や幼稚園の実習は「採用確率」が高い特殊な業界なのです。しかし、最近は、その実習から採用に繋がらないという悩みを多く寄せられます。

私も、実習における各園の学生対応やコミュニケーションの取り方を取り上げることが多いのですが、それは園の覚悟で改善できる部分だからです。しかし、それ以外にも「実習が採用につながりにくくなった」理由もありますので考えてみましょう。

保育士資格と幼稚園免許の併有率の上昇

認定こども園の登場により「保育教諭」というあまり浸透していない立場ができました。内閣府子ども・子育て本部の「幼稚園教諭免許状・保育士資格の併有促進のための支援策について」によると、保育士資格と幼稚園免許の併有率は、87.8%(平成28年)→90.4%(平成30年)へ上昇しています。短期間のデータなのでこれだけで、「資格併有率が上がっている」と決めつけるのは早計ですが、令和元年度 幼児教育実態調査(文部科学省初等中等教育局幼児教育課)の中で、下記データがあります。

併有率公立私立合計
園長75.2%49.9%59.6%
副園長・教頭82.5%69.4%72.8%
常勤の幼稚園教諭89.0%85.5%88.3%

立場が違うので、これも一概には言えませんが、公立でも私立でも、年次が若いほど資格併有率が大幅に上昇しています。さらに、最近の養成校では、小学校教員免許や介護資格を取得する学部に、保育士資格を選択できるコースが新設されるなどもあります。一貫した調査データは見当たりませんでしたが、これらを踏まえると、保育士資格と幼稚園教諭免許の併有率が大幅に上昇していると言えるのではないでしょうか。