なぜ保育園・幼稚園に言語化が必要なのか?(4)

「OJT」と「言語化」

採用した人材には、教育の場を提供し続けなければなりません。どんなに素材の良い人材でもなかなか勝手には育ってくれないからです。職員を外部研修に参加させ、情報や刺激を提供するのも教育の一つの方法ですが、最も大切で時間を割いている教育はOJTになります。※OJTとは?

しかし、このOJTが理由で離職者が多く出てしまうのも事実です。
乱暴な言い方ですが、先輩や教育担当者が好き勝手に教えているというのが現状です。

結論からいうと、改善のために「園の言語化」と「OJTのマニュアル」が必要です。

オペレーションだけを教える先輩たち

オペレーションとは、「掃除の仕方」「鍵の開け方」「モノの方」「教材の使い方」いわゆる「レジの打ち方」です。残念ながら、多くのOJTの場では、「レジの打ち方」だけが教えられています。仕事をするには、それぞれの園の「オペレーション」を覚えることは大事なことです。しかし、それ以上に大事なことは「なぜ?それをやるのか(Why?)」です。

そして、「なぜ?それをやるのか」の答えは、「なぜなら、私たちの園は○○だから」という考えです。だから、後輩指導する先輩たちは、「どうやるのか」ではなく、「なぜ?それをやるか(Why?)」を教えなければなりません。そして、そのWhyは、教育を通して園の共通言語にしていくことも必要です。

マニュアルはマニュアル人間を作りません

マニュアルのないOJTでは、主に経験者が発生ベースや思い出したベースで教えているため、多くの抜け漏れが発生します。

「教えてもらってないのに怒られた。」
「先輩によって言っていることが違う。」
「(同一の先輩が)この前と言っていることが違う。」というような状況が頻繁に発生します。
初めて属する組織に対して、何か正しくて何が間違っているのか混乱と組織への不信感から離職してしまうことが多くあります。

「理念ベースの行動規範」「組織の不文律」「専門知識」の言語化(マニュアル化)を図ります。
いわゆる見える化です。
この見える化により、行動規範や不文律が、理念とズレていたり、現場ベースで勝手に出来上がった自己都合なルールを修正することもできます。
また、専門知識をマニュアル化することにより、いつまでに何を習得しなければならないかも見えてくるため、それぞれの人材においてゴール分かりやすくなり、目標を立てることが容易になります。